突然ですが質問です。
あなたは、いつ裁縫に触れましたか?
いままで全くしたことがない人はごく少数かもしれません。大抵の人が小学校の家庭科で習ったのではないでしょうか。
ではその後、触れる機会はありましたか?と聞くとどうでしょう。
洋服のボタンがとれたから。糸がほつれたから。子どもの入学準備のため。
などなど・・・
必要に駆られる以外、趣味でもない限りやらない人が大半だと思います。
「もうやり方を忘れた。」「苦手だった。」という人も中にはいるのではないでしょうか。
衣服解体では老若男女問わず
「全く裁縫(洋裁)をやったことのない人(超初心者)でも作品を作れるようになるまで」
を想定し構成しています。
このサイトは要領のいい人にとっては、とても見づらい仕様になっているかもしれません。
他の指南書では文字数の制限や制約、見やすさのために省くところも書こうとしており、ある程度できる人からみれば「当たり前」「考えればわかる」「ここいる?」と思う、ほんの些細なことが初心者にはつまずきの元になりえると考えたからです。
ー やり方はひとつではない ー
物のみた目が同じように見えても「なにをどうするか」道具や手法は人(生産者)それぞれになります。
衣服解体に書かれていることは、今まで管理人が過去に習ったり実践で学んで来たことをまとめたものであり一個人が通って来た、たったひとつの道にすぎません。
そのため、一部教科書どおりではない手法も書いています。
他の人から見れば稚拙かもしれませんが、頭でこんな感じだなと思い描いても実際にやってみるとうまく出来なかったりすることもあります。「見て」「実践して」ご自身に合った手法なのかを判断し、良いなと思ったら取り入れてみてください。
裁縫に限らず、なにかを学ぶ際には見た(読んだ)だけでは身につきませんし、やったことにもなりません。
失敗しても、やってみることで解決の糸口が見つかる場合もありますので、必ず実践してから判断することをおすすめします。
サイト内は自由にご覧ください。(※ここでの自由とは著作権フリーという意味ではありません)
・・・と言いたい所なのですが、物をつくる上で陥りがちな悩みを少しでも軽減するために、考え方について説教臭いかもしれませんが以下に目を通してみてください。
これを読んでいるあなたが・・・
未成年の人
はり、はさみ、アイロン、ミシン・・・使い方によってはケガをします。ひとりで作ろうとはしないで大人の人に相談して一緒に作るようにお願いしてみましょう。
保護者の方へ
お子さんのやる気を尊重し、好奇心があるうちに始めるのがベストです。また子供は大人の真似をよくしたがります。裁縫には危険なものがいっぱいありますので十分に気をつけてサポートしてあげてください。
お子さんの洋服や小物を作ってあげようと思っている方は注意が必要です。「せっかく作っても着て(使って)くれない。」という事が起こるかもしれないからです。
・・・あの時の母よ、すまない・・・
これを回避するには好きな柄の布や、ワッペン・刺繍などのワンポイントになる物を、一緒に選んだりしてみると着てくれるかもしれません。(保証はしません)
趣味で始めようとしている初心者の人
自分のために、どんなものをどんな風に作っても誰にも咎められることはありません。なにをしても自由です。いっぱいつくって楽しみましょう。
ただし身内や他人へ向けてつくる場合、一筋縄ではいきません。
徐々に上達していくにつれて誰かに作ってあげたいと思う気持ちが芽生えるのは自然ですし、とても素敵なことです。
しかし、世知辛いですが人間関係のトラブルに発展しかねない場合もあるからです。
(この話の続きはまた別の回でお話したいと思います。)
在校中の学生/生徒の人(専門学生/カルチャースクールなどの講座も含む)
学校は楽しいですか?
在学中にここを見ているという事は何か不安や悩みがあるのでしょうか?
複数人で受ける授業は周りの人と比べがちになりやすく、うまくいかないと焦りが出て来てしまいます。最初は誰でもわからなくて当然です。習いに来ているわけですから恥ずかしい、カッコ悪いと思わず、わからなくなったら直ぐに質問して解決する癖をつけるようにしましょう。
と、いうのも学生時代に同級生Aが卒業まであと半年という所で「学校を辞めたい。」と言い出した事がありました。
理由は「授業についていけなくなったから。」
そこに至るまでの間にも、よくある口癖の
「めんどくさい」「だるい」「学校へ行きたくない」
などの愚痴はガス抜きにはならず、蓄積され爆発へ・・・。
授業内容が入学時に思っていたものと違った。というのであれば選択時点での問題なので仕方がないですが、授業でいつもついていけないのであれば大変ですが遅れを取り戻すことは出来ると思います。それは
めんどうでも予習と復習を必ずやる。
なんだ結局それか。と思ったでしょう。
「授業に集中してちゃんと受けていればそんなことしなくてもいい。」と思う人もいるかもしれません。
でもそれはある程度できる人(要領のいい人)だから軽く言えてしまうのではないでしょうか。
遅い人は授業について行くだけでも精一杯です。
できない人に、一番回避して欲しいのは「わからなくなったキッカケ」を見失わないこと。これを逃してしまうとどこから手をつけていいのか、わからなくなってしまうからです。
「わからない」火種が小さいうちに対処するようにしましょう。
「予習をすると授業内で質問をする余裕ができる。」
「何度も繰り返すことで体に感覚を覚えさせる。」これが一番重要です。
復習については、授業が終わって間もなくするのもよいですが(授業内である程度できていた場合に限り)いくつか課題が進んでから過去を見返すことで、より理解しやすくなる場合もあります。
これが実行できた時は、それだけ進歩したということです。自信を持ってください。
ー 三歩進んで二歩下がる ー
労力がかかったり後退もするけれど着実な一歩を進めるように心がけましょう。倍の時間がかかっても習得すれば一生使えるわけですから今が頑張り時です。(かといって根を詰めすぎず、時々適度な休憩も入れるようにしましょう)
また、ここを参考にするのは非常にありがたいのですが、忘れてはいけないことは作業課程を含めて習得しているということです。自己流で勝手にやるのであれば学校に通う意味が薄れてしまいます。
今は学業に専念し、ここに書かれていることは卒業後の応用のひとつとして捉えてください。
会社に所属、またはチームや行事など複数名でプロジェクトを進行している人
お仕事お疲れ様です。規格書や仕様書には忠実に従いましょう。単独プレーをしてしまう事で、製品へのバラつきが発生し不良品扱いとなり、検品チェックではじかれてしまいます。
周りの人との共通認識を常に更新するように心がけましょう。
ここに書かれていることは趣味で楽しむ際にご参考になさってください。
このようなことは書かずに製作の本題から入ってもよかったのですが、なぜ敢えて書いたかと言うと
「諦めてほしくないから」なのです。
上記で触れた、悩んでいた同級生Aや挫折して辞めた人の話を見かけると、回避できなかったのだろうか。と思うのです。
なにかを始めるには動機がつきもの。自ら選んだ道がいつしか「やらされている」意識に変わってしまった時は、どうか初心を思い出してください。
今まで知らない人と話をする時、なにをしているのかと訊ねられて裁縫のことを話すと、ほぼ90%の人が「手先が器用なんですね」と返してくることが多いのです。(話のつなぎなだけで本心かは別として)
世間的には手先が器用でなくてはできないんじゃないかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。
人に勧められるままに始め、ファッションにも疎い管理人の場合は手先が器用でもなく、繰り返しによる慣れで補う部分が大きかった。取り敢えずこれしかできることがないから、なんとかやってきた訳ですが
「何もないところから作品ができあがるさま」は、つくっていて楽しいと思えるのです。
自分のつくる原動力はコレだというものがあれば続けられる。
工場見学が好きな人やものづくりに興味があるなら、よりハマれることでしょう。
ここを見ているあなたが「興味があって裁縫をはじめてみたい。」と思っているのなら、管理人以上に十分動機と向上心があるわけですから是非がんばって、作品をつくり上げてみて欲しいのです。できあがった時の達成感はひとしおですよ。
駄文にもかかわらずここまで全文を読んだ、真面目なあなたなら、きっと作品を完成させることができるでしょう。
飛ばして最後を読んでいる方は途中でわからなくなって挫折してしまうタイプではないですか?「わからなくなったら見返す」作業を必ずするようにしましょう。
ちなみに同級生Aは「辞めたい。」の発言後に友人や先生に引き止められた結果、卒業はしました。ただ、このさき洋裁をやる気はないと言い、卒業時にいくつか譲り受けた名入りの道具が今も家にあります。
当時は卒業資格が取れてよかったね。と話していましたが、あのとき引き止めてよかったのだろうか。と思うこともあります。どうしてもつらい時は休む。もしくはやむなく辞める選択肢もあります。
どの程度の作品をつくりたいかによって人により難易度が変わりますが、一時の感情に流されず後悔をしない道はどれなのか。選ぶのはあなたです。
ここは初心者だけでなく、過去に諦めてしまった人でも年月を経て再開してほしいという願いも込めて開設しました。